企業理念や経営理念に盛り込む”ビジョン”の驚くべき効果

経営理念

経営する上では、その存在理由を明確にし、なぜ、何のために、何をする会社なのかを言い表す必要があります。

それが企業理念だったり、経営理念というもの。

これが明確に設定されていない会社は、自社の存在理由がない、もっといえば、経営者のあなたも従業員も、そこで働くという意味を失います。

例えば理念のない会社はこんなことになります。

(従業員の離職を防ぐ理念とは?経営者が用意すべき企業の核となるもの!)

しかしながら、理念が明確に設定されていない会社もまだまだ多いという調べもあるので、これを機に理念を策定することをお勧めします。

そして、この理念の中にさらに具体的に盛り込むべきものが、今回のテーマでもある”ビジョン”というものです。

ビジョンがあるからこそ、そのゴールに向かって、あなたが経営している会社は、従業員たちは、あなた自身は動いていけるのです。

理念の中にたった一つ、ビジョンを盛り込み浸透させていくことで、あなたが経営している会社が、チャンスを掴みさらなる発展と成長をしていけたら嬉しくないですか?

そしてさらにそれが、世界を変えるほどの大きな発展・成長に繋がっていければ・・

それほどまでのスケールが、あなたの会社のビジョンには秘められていると、僕は思います。

変化の激しいこの世の中を生き抜くためには、むしろそうでなければいけません。

今回は、経営していく上で理念に盛り込むべき必須項目である、ビジョンについてお話ししていきます。

在るべき未来?経営におけるビジョンの役割とは

あなたが経営している会社の目指す先、ゴールはどこでしょうか?

どのような”在るべき未来”に向かって進んでいきたいのでしょう?

これこそがビジョンです。

目指すゴールが無くして、誰も歩き出すことはできません。

42.195km先のゴールを目指すからこそ、ランナーたちは走れます。

ゴールネットを揺らし、点を取るためにサッカー選手は相手ゴールに向かってボールを押し進めていきます。

ドラクエでは、ラスボスを倒すというゴールのために、レベルを上げて強い敵を倒しながら進んでいきます。

これはスポーツやゲームの勝ち負けだけの話ではなく、会社でいえば、「どのような”在るべき未来”を目指しているのか」という目的がゴールになります。

その”在るべき未来”のゴールに向かって、あなたという経営者がおり、共に走ってくれる経営陣や従業員の仲間たちがいるのです。

行き先が明確でないとどこにも進めない、もしくは無駄に彷徨って労力を消費していくだけです。

タクシーに乗って「どちらまで?」と聞かれ、目指す目的地がないなんていう人はいませんよね?

「あなたの会社の目的地はどこですか?」と聞かれた時に、いつでも明確なゴール、つまりビジョンを伝えられるように、あなたが経営している会社の従業員たちには、常にビジョンに沿ったゴールを目指す姿勢でいてもらえるよう、理念の浸透をさせていきましょう。

大手企業のビジョンを参考に見てみよう

ここでは、ビジョンとは、あなたが経営している会社の”在るべき未来”がゴールであると定義していますが。

その”在るべき未来”とは一体どのようなものなのか?

大手企業のビジョンを参考に見ていきましょう。

Yahoo!Japan
「世界で一番、便利な国へ」

SoftBasnk
「世界の人々から最も必要とされる企業グループ」

日産自動車
「日々の生活を豊かに」

いかがでしょうか?

それぞれの会社が目指す”在るべき未来”のゴールを設定していることが分かりますよね。

企業理念やビジョン、ミッションステートメントというものは、その企業によって書き方は自由であり、特定のルールがあるわけではありません。

「なぜあなたの会社は存在しているのですか?」と聞かれれば、「世界で一番、便利な国へしていくためです。それが目的であり、そのために弊社は存在しています」とYahoo!Japanの皆さんは答えるはずです。

だから従業員一同が同じ目的、つまりビジョンを共有しながら、理念に沿って各担当の部署でそれぞれの仕事を進めていけているのです。

企業理念や経営理念で、会社の存在理由を明確にし、ビジョンで在るべき未来のゴールを共有し、ミッションステートメントにある会社や個人の憲法に沿って、ゴールへの道のりを進んでいく。

この流れが固まり、あなたが経営している会社にしっかりと定着していけば、間違いなく大きな成長に繋がるはずです。

(理念だけでは動かない?経営者が理念と共に定着させるべきミッション・ステートメントとは?)

ビジョンは企業ごとに異なり、書き方も内容も自由ではあるものの、一見ふわっとした抽象的なゴールに感じられることがあるかもしれません。

当然のことながら、場合によっては「なぜこのビジョンになったのか」をきちんと示し伝えていく必要もあります。

経営でビジョンを描くことが世界の問題解決へのヒントに

ところであなたは、”バックキャスティング”という言葉を聞いたことはありますか?

”フォアキャスティング”という、現在を起点に未来を描いていくという思考があるのに対し、バックキャスティングは、在るべき未来から逆算して、そのために今何をするべきなのかを考え動いていく思考です。

フォアキャスティングは従来の会社組織の思考に多くあるといわれ、より壮大な目的に向かうためにはバックキャスティングの思考が重要だといわれています。

国連で採択された世界の目標SDGs(エスディージーズ)から見てもわかる通り、温暖化による気候変動や、大気や海、陸の汚染、人権差別や格差の問題、それらから派生する様々な問題が世界中で起こっており、今それらの壮大な問題を解決するために、ビジネスという手段が必要とされています。

(SDGsを取り入れた経営戦略であなたの会社を大きく成長させるには)

そしてSDGsの達成にこそバックキャスティングの思考が必須です。

SDGsの達成に向けた話をすると、大抵の経営者は「そんな大それた目標達成のために、うちのような小さな会社ができることなんてない」や「今は経営が手一杯で、社会貢献している余裕はない」という声が聞かれます。

先にお伝えしておきますが、SDGsはただの社会貢献ではなく、企業の技術やサービス、商品というリソースを使ってビジネスで世界の問題解決を目指すことが期待されているので、これは会社の成長・発展につながる、れっきとしたビジネスチャンスなのです。

ビジネスを回しながら、世の中により良い未来を届けているわけです。

あなたが経営している会社では、バックキャスティングを用いて、SDGsという壮大な目標の解決に向けて舵を切るのは難しいことでしょうか?

やり慣れない手法を取り入れてのビジネスはリスクになりますか?

バックキャスティングは「在るべき未来から逆算して、そのために今何をするべきなのかを考え動いていく思考」と先ほどお伝えしました。

そうです、ここで思い出してほしいのが、あなたが経営している会社のビジョンや理念です。

Yahoo!JapanもSoftBankも日産自動車も壮大な”在るべき未来”を描いたビジョンを打ち出し、そのゴールに向かうために、その”在るべき未来”から逆算して各社の事業を行なっています。

あなたが経営している会社のビジョンにも”在るべき未来”という壮大なゴールがあるはずです。

そんな簡単なゴールであるならば、すでに達成できてしまっているはず。

であればビジョンはやはり、中長期的で壮大なものであるはずです。

だんだん分かってきましたよね?

あなたが経営している会社は、すでにバックキャスティングで”在るべき未来”を描き、ビジョンを設定して動き出しているのです。

(事業を長期的に続けていくために”これからの”経営に必要な思考とは)

経営における理念やビジョンは会社の成長に大きくつながる

理念やビジョン、ミッション・ステートメントが明確になって、きちんと社内に浸透していれば、バックキャスティングで、あなたが経営している会社のビジネスを使ってSDGsの目標達成にもつなげていくことができます。

今のままの状態では、近い未来に人々が生きていけなくなるほどの危機が訪れてしまいます。

他人事ではなくそれほどの危険が迫っているからこそ、世界中の人が取り組まなければいけない目標として、国連でSDGsが採択されました。

しかしまだ、具体的に理念やビジョンが策定されていないという企業もたくさんあります。

善は急げ、今からでも遅くはありません。

もし今から理念やビジョン、ミッション・ステートメントを作るのであれば、経営陣だけでなく、従業員たちと一緒に一から作り上げることをお勧めします。

どのような在るべき未来を描けばいいか分からない時は、SDGsの17目標169ターゲットを隅々まで目を通してみてください。

[環境省:SDGグローバル指標(SDG Indicators)]

これらの目標を基準に、あなたが経営している会社の目指す世界や未来を描くといいです。

あなたの会社が目指す、あるべき未来をできるだけ鮮明に、カラーで着ている服の色まで、具体的に思い浮かべるのです。

描く未来のゴールは、自ずと問題解決への道へと繋がっているので、社会貢献性の非常に高い理念やビジョンを作っていくことができるはずです。

ビジョンが鮮明であればあるほど、それを目指す力も大きくなってくるはずです。

既に理念やビジョンはあるが、うまく従業員たちに浸透できていないという場合は、SDGsの研修を行い、あなたが経営している会社は、世の中の危機を救うために、どのような事業をしている企業なのか、ということを、改めてSDGsの視点から感じてもらうようにすると、共感や浸透が速まるでしょう。

1980年以降に生まれた”ミレニアル世代”の人々は、働きがいの中に社会貢献性を求めるという統計があります。

SDGsを社会の物差しと捉えた時、自分が働いている会社は、世の中にどのような貢献ができているのか、という判断基準ができれば、一層に誇りとプライドを持って主体的に仕事に打ち込んでくれたり、新規事業の開発にも繋がるなど、優良な人材の育成にも効果的です。

(令和の人材育成は経営戦略にも必須な今話題の○○がカギになる!)
(ミレニアル世代を理解したSDGs経営が中小企業生き残りのカギ!)

これらは特に、規模が小さいあなたが経営している会社だからこそのメリットです。

意思決定のスピード、浸透へのスピード、行動へのスピード、どれを取っても何千人といる大企業よりも有利ですよね!

あなたの会社が、世の中でさらなる活躍をし、発展・成長につなげていくために、理念にビジョンを盛り込み、しっかりと浸透させていく必要があるのです。

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