今ひとつ従業員たちの動きや働く姿勢にムラがある。
もっと頑張ってほしい、いや、もっと頑張れるはずなのに、何がその障壁になっているのか・・・
そんな悩みを抱えている経営者のあなた!
従業員たちが指示を待たずに、もっと自ら主体的に行動してくれれば、あなたは経営者としての次のステップに進めていけるのに、ここで、つまづいているのは勿体ないですよね。
そもそも、あなたが経営している会社の従業員たちは、なぜ何のために働いているのでしょう?
確かに好きなものを買うため、家族を養うため、生活のため、など、自分の経済を支えるためにはお金は必要です。
しかし、お金だけが理由なのであれば、わざわざあなたが経営している会社で働かなくてもいいのです。
従業員たちには今一度、”自分が勤めている会社”で働く意味を考えてもらいましょう。
そのためにも、会社の企業理念や経営理念をきちんと落とし込み、インサイド・アウトという考え方を養っていく必要があります。
インサイド・アウトは想像をはるかに超えた、爆発的な成長と進化をもたらします。
今あなたが、従業員たちに思っている期待や悩み、不満を一気に飛び越えるほどの成長へとつながり、それはイコールあなたが経営している会社の成長・発展も意味します。
目の前に石ころが積み上げられた山があります。
すぐ横にその山と同じ大きさで、積み上げられているわけではなく、よく見てみるとそれ自体が一つの岩でした。
どちらの山が永続的に崩れずにいられるでしょうか?
インサイド・アウトで会社を一枚岩に、いや、それ以上に「個の強みが活きている組織」という”変化に強い柔軟な一枚岩”にしていきましょう!
経営者は従業員の鏡に!そもそもインサイド・アウトってなに??
”成功の法則”をまとめ、書籍として明文化された『7つの習慣』という世界のベストセラーの本があるのをご存知ですか?
7つの習慣は、経営者やビジネスマンたちのバイブルとしても知られていますが、この本に書かれていることは、経営者たちだけに限らず、人が生きていく上で最も重要なことが、普遍的な”原則”という言葉に基づいて書かれています。
僕は元々この『7つの習慣実践会』のファシリテーターをやっていたということもあり、このブログでもよく7つの習慣を参考例にして、僕自身の実体験も交えながらお伝えしています。
今回のテーマでもある”インサイド・アウト”についても7つの習慣に書かれています。
さて、そんなインサイド・アウトとは一体何なのか?
7つの習慣には、
インサイド・アウトとは、一言で言えば、自分自身の内面から始めるという意味である。内面のもっと奥深くにあるパラダイム(ものの見方)、人格、動機を見つめることから始めるのである。
さらには
インサイド・アウトのアプローチでは、たとえばあなたが幸福な結婚生活を望むなら、まずはあなた自身が、ポジティブなエネルギーを生み出し、ネガティブなエネルギーを消し去るパートナーになる。(中略)仕事でもっと自由な裁量がほしければ、もっと責任感が強く協力的で、会社に貢献できる社員になる。信頼されたければ、信頼に足る人間になる。・・・
とも書かれています。
ポイントは語尾の『なる』というところです。
この『なる』には、相手の態度や行動に左右されずに、まずは何よりも自らが主体的な行動をとる人間になる、という意思が示された言葉です。
従業員たちに「もっと頑張ってほしい、いや、もっと頑張れるはずなのに、何がその障壁になっているのか・・・」と考えるようであれば、まずは経営者のあなたが主体的な行動を見せていく必要があるのかもしれませんね。
当然ながらあなたは経営者であり、従業員たちと立場や仕事内容が違います。
もし従業員たちに、1から10まで同じ動きを真似して働いてもらったとしても、これでは柔軟な判断や行動ができない、指示待ちのマニュアル従業員を量産させてしまうことになります。
とはいえ「もっと考えて動け!先輩たちを見て学べ」と言ったところで、何を基準に考え、どんな良い面を見て学べばいいのか、判断に困ることも、言い出さないだけで、従業員たちはそう思っている可能性も大いにありえます。
それでは従業員たちは育たないですよね。
では何を基準にした上で、インサイド・アウトで自ら主体的な行動をしていけばいいのか?
これこそが企業理念や経営理念なのです。
理念の徹底こそインサイド・アウトへの近道
業務の性質上、細かなマニュアルが必要な仕事もあります。
マニュアルがいけないということではありません。
マニュアル外の不測の事態が起こった時、自分にしかそれ以降の判断ができる人間が、その場にいなかった時、そんな時にインサイド・アウトで主体的になった従業員の能力が試される時かもしれません。
どんな価値観で良し悪しの判断を決めるのか?
どんな方針に従って、自分は会社の一員として動くべきなのか?
そもそもこの会社は何を目指しているのか?
この会社の目的は?存在意義は?
突き詰めれば、行動理由の”核”となるものが見えてきます。
その核が小さく細く霞んでいれば、必然的に行動も不安定になりブレてきます。
その核がしっかりと従業員たちに根付いていれば、不測の事態にも対応できる、たとえ完全な対応ができなかったとしても、大事故になることを防げるはずです。
その核こそが理念というわけです。
僕のお客さんの会社では、従業員へ会社の理念共有を徹底させた経営をしています。
“全従業員参画経営”を掲げるほど、理念経営の必要性と、その重要性を理解し、同時に体現している会社です。
お土産商品を生産販売するその会社は、お客様ファーストな内容の理念(細かくは伏せておきますが)を打ち出し、一日一日、一人ひとりが成長しながら、お客様の笑顔のために働いている姿勢が、いたるところから感じられます。
接客販売は当然のことながら、購入者の顔を直接見ることのできない、生産部署や商品管理部署の従業員さんまでもが、お客様の笑顔を浮かべながら、日々やりがいと責任感を持ちながら、インサイド・アウトで主体的に行動しています。
そこにはやはり、高く大きく光り輝く理念が、明確に打ち出されていたからこそ、迷わずに目的意識を持って働いてこれた、という話を伺うことができました。
ある時、工場のトラブルで、必要数量の商品の生産が大幅に遅れるという事態が起こりました。
休日ということもあり、工場の従業員の稼働人数は少ない、スピーディーに運べる配送業者は動いていない、と難関が続きます。
しかし、お客様ファーストな理念が徹底された経営をしているこちらの会社では。
部署外の従業員たちとも連絡を取り合い、部署の垣根を超えて、インサイド・アウトで自ら「お客様の笑顔のために、いま自分ができる最良の行動」を取ったことで、結果、生産も間に合い、配送も自家用車や新幹線など、その時に考えられるあらゆる手段を使い、なんとか間に合ったそうです。
またある時は、販売した商品の包装紙が破れていたというクレームが入ってしまいました。
もしかしたらそれは、気付かぬうちに、お客様が引っ掛けて破いてしまったのかもしれません。
しかし、お客様ファーストな理念を掲げていて、それがきちんと浸透されているこの会社では、従業員さんが自らインサイド・アウトで動き、その場ですぐに新幹線に乗って、お客様のところに新しい商品と差し替えに伺ったのです。
結果、このことで、そのお客様は一人の客から、熱狂的なファンに代わり、ファンはその商品や会社の宣伝を口コミでしてくれ、何度も買いに来てくれるようになったのです。
これらの事はまさに、理念がきちんと従業員に落とし込まれ、インサイド・アウトで動いた結果から導き出されたことだといえるでしょう。
この会社では、さすが”理念経営”を掲げてるだけあって、このようなことは特に驚くべきことではなく、お客様ファーストな理念を常に意識していれば、当然のことだといいます。
僕は理念浸透させたときの、そしてそこからインサイド・アウトで動くときのパワーのすごさというものを感じました。
理念経営は世界を変えるほど会社に成長もたらす
あなたが経営している会社の企業理念や経営理念はどのようなものでしょうか?
理念があってこそ、それがあなたが経営している会社の存在意義となります。
マニュアルは”やり方を”示すものですが、理念は”在り方”を示すものなので、そもそもの性質が違います。
理念があるからこそ、マニュアルも活きてきます。
同じ目的のために動けば、アプローチは違ったとしても、目指す先は同じなのでブレることなく進んでいけます。
目的地にたどり着くためなら、自家用車でも新幹線でも、最良の手段であれば構わないのです。
マニュアルにいちいち、「クレーム対応のためには新幹線を利用する」などとも書いてはいません。
理念がきちんと落とし込まれ、主体的にインサイド・アウトで行動するための手段が、新幹線だっただけの話なのです。
従業員たちがインサイド・アウトで動いてくれれば、不足のトラブルやクレーム対応などというレベルを超えて、さらに、会社がより良くなるための動きを主体的に提案してきてくれることでしょう。
新たな商品やサービスの企画、新規事業の構想、社内のより良い働き方の提案など、従業員たちが自ら、より良い仕事環境や、会社の経営や成長、発展のために動いてくれるのです。
こうなれば、経営者としてのあなたの業務は格段に楽になり、あなた自身が従業員や会社のために、さらなる飛躍に向けた経営のための時間が作れるということにも繋がりますよね。
たった一つの理念をきちんと浸透させていくことで、従業員が、経営者のあなたが、そして会社が、それぞれが成長のための相乗効果の気流を生み出していけるのです。
さらには、爆発的に成長の相乗効果が増した会社は、会社内だけでなく、世の中を変えるほどの大きなうねりを創っていきます。
今、世界的な話題にもなっているSDGs(エスディージーズ)からも考えられるとおり、世界中で環境や社会、人権、経済など様々な問題が巻き起こり、近い将来の、人類の生存すら危ぶまれるほどの危機的な状況です。
理念が浸透し、自分たちの社会的な存在意義が明確にできている会社は、インサイド・アウトで、お客様のため、取引先企業のため、社会のため、つまるところ世の中のために行動をとっていくのです。
世界の問題の解決は、世界が望む世界需要です。
その需要を、あなたが経営している会社の技術やサービスというツールを使って、解決への一助となっていけば、求められる会社になり、売上的にも、人としても、会社としても益々成長していくことでしょう。
あなたが経営している会社の”在り方”を理念によって共有し、しっかり根付かせインサイド・アウトで動いていく、それこそが、柔軟な一枚岩の会社に成長させていくために重要なことなのです。
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