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誰の下にも付くタイプではない、自分の想いとやりたいことを胸に、右も左もわからない状態から、なんとか会社を起こし、あなたは経営者としてここまで走ってきました。
仕事第一で、時には休日も返上で経営と実務を行ってきましたよね。
働くのが好きなのも分かりますが、大切な家族との時間は過ごせてますか?日々、充分に体を休ませ、疲労の回復はできているでしょうか?
これも一人の経営者として重要な役目です。
さて、それでもなんとか軌道に乗ったものの、今ひとつ思い描くような会社の拡大・成長に至っていない、というあなたは、いまの会社の体制を一歩引いたところから見てみる必要がありそうですね。
あなたが経営している会社の業界だけでなく、世の中の”今”をもっと知ることで、会社を理想の方向へ進めていけるかもしれません。
あなたが世間知らずだといっている訳ではありません。
世の中の見方を少し変えてみましょう、という意味です。
SDGs(エスディージーズ)にある17の法則を知り、バックキャスティングを取り入れた経営を行っていけば、飛躍的な会社の成長につながるでしょう。
さぁここからが、あなたが経営している会社が突き抜ける時!
更なる飛躍に向かって、経営にSDGsとバックキャスティングを取り入れていきましょう。
SDGs経営で”世の中視点”を養う
「世の中のことをもっと知ろう」といいましたが、今回は”世の中の問題”にフォーカスしていきます。
そもそも、ここの部分を知らないと、あなたが経営している会社の発展・成長どころか、今後は衰退し会社が持続していかない、という可能性すらあるのです。
逆にいえば、世の中の問題にフォーカスした経営でビジネスを進めていけば、あなたが経営している会社は、大きな成長と発展に繋がっていくはず。
まずは世の中の問題を知るために、SDGs(エスディージーズ)についてお話しします。
そもそも、SDGsとは何なのか?
これは、いま解決に向けて世界が本気で取り組んでいかなければ、人類が生きていけなくなるというほどの問題を解決するための、17種類の目標のことを意味します。
正式には、SDGsとは「Sustainable Development Goals」の略で、日本語では「持続可能な開発目標」と訳されます。
この目標は、国連で全会一致で採択された、世界中で取り組むべき目標です。
いきなり地球規模のスケールのお話で、びっくりされたかもしれませんが、裏を返すと、近い将来にそれほどの危機が迫っているということなのです。
このことを、経営者のあなたは敏感に察知した今だからこそ、SDGsを経営に取り入れていけば、会社の発展にも繋がっていくのです。
SDGsで”世の中視点”を養って経営に活かしていきましょう。
(SDGsを取り入れた経営戦略であなたの会社を大きく成長させるには)
世の中の問題把握なくしてSDGs経営は不可能
もう少しSDGsについて詳しく話していきます。
世界では自然環境の破壊、大気や海の汚染、気候変動による温暖化や、そこから派生しているとも考えられている、巨大台風や竜巻きなどの災害など様々な問題が起こっています。
また世界中を恐怖に陥れた新型コロナウイルスは、健康被害だけでなく、経済的損害はまさに、あなたが経営している会社にも深刻なダメージを与えたのではないでしょうか?
他にも、世界の人口の爆発的な増加によって、一層に貧富の差は広がるばかりです。
かたや日本では少子高齢化による、年金問題、に労働力の低下、さらには増えた世界の人口は、日本に職を求めに来ることで、ますます日本人が日本で働けなくなってしまうとも予想されています。
人を国籍や性別、宗教や障がいなどの理由で差別することも無くならず、同じ人間同士で争っているという現実は今も続いており、その争いは、人だけでなく、同時に地球環境や他の生き物も傷つけているのです。
これらの問題はニュースや新聞で目にしたことがあったり、小さい頃から耳にしたこともあるでしょう。
しかしながら、それもまだまだ氷山の一角。
産業の技術が進歩していく裏で、このような問題は解決されることなく、今に至ったのです。
いよいよそのしっぺ返しがくる状況まで追い詰められているのが、今の世の中というわけです。
世の中の問題は、当然僕たちが生きる日本も例外ではありません。
これらの問題の中から、いま最も解決していかなければいけない問題を17項目に分類し、さらに169個に細分化して、世界中でその達成を目指すという目標がSDGsなのです。
(ビジネスで社会の問題解決!?SDGs経営をしていくための2つのポイント)
SDGsを経営に取り入れ12兆ドルの市場に乗り込む!
平和な未来に、人類も、あなたが経営している会社も、持続させていくために、SDGsをどれだけ”自分ごと”として、より良い未来へ向かって行動をしていくか、ということが、明日を生きていくわれわれが、まず真っ先になすべき事。
SDGsは、企業がビジネスによって解決に向けた動きをとることが重要とされており、世界経済会議、通称ダボス会議では、SDGsを取り入れたビジネスの市場は、12兆ドルもの経済価値、そして3億8000万人もの雇用を生むともいわれています。
日本でも、河野太郎さんや小泉進次郎さんなどを中心に、SDGs推進をしているのも有名で、日本政府も力を入れています。
世の中の問題を解決に導きながら、収益を伸ばしていく。
ぜひ、169個に細分化されたターゲット目標まで目を通してみてください。
きっと、あなたの経営している会社のビジネスで、解決に向けて動ける目標が見つかるはずです。
それこそが、いま世の中から、あなたの会社に求められている使命だといえるでしょう。
[環境省:SDGグローバル指標(SDG Indicators)]
あなたが経営しているような会社が集まり、自分ごととして本気で取り組めば、未来は変えられると僕は信じています。
「SDGsについての概要は分かった。でも、それを実際にどのように会社の経営に落とし込んでいけばいいのか?」
今あなたは、こんな疑問が浮かんだのではないでしょうか?
そうなんです、SDGsはあくまでも”目標”であり、具体的な手法が書いてあるわけではありません。
経営にどう落とし込み、会社の収益を伸ばしながら、世の中をの問題を解決に向かって進んでいくのか?
そのやり方は各社の自由であるわけですが、今回はその考え方の一つ、SDGsと相性がいいといわれている”バックキャスティング ”についてお話ししていきます。
SDGs経営に必須なバックキャスティングって?
SDGs経営をしていく上で欠かせない思考が”バックキャスティング”といわれる考え方です。
バックキャスティングは、”逆算思考”と訳すと想像がつきやすいでしょうか。
先にあげたSDGsにまつわる、様々な世の中の問題は、どれも気が遠くなるほどの壮大な大問題、あなたが経営している会社一社だけで解決できるはずもありません。
だからといって、問題解決に向けた動きをみんなで取り組んでいかなければ、この先の未来へ持続していけないというのも事実。
そんな時こそ、バックキャスティングの思考が活きてきます。
そもそも、バックキャスティングは「今すぐには解決できないほど大きな、自分たちが未来に在るべき姿を想像した壮大な目標を掲げ、その目標を達成するためには、どんなことを行っていけばいいのか?そのためにはいつまでに何をすればいいのか?そうするといま現在は何から着手するのか?」というように大きな目標から逆算して考えていく方法です。
少しづつ、いま目の前にある課題をこなしながら、小さな目標の達成からコツコツ積み上げ、ゆくゆくは大きな目標に挑んでいく。(これをフォアキャスティングといいます)
こういう考え方もありますし、決して間違っているわけではありません。
一見、同じ目標の達成に向かって進んでいくのであれば、フォアキャスティングでもバックキャスティングでも、変わらないように感じられるかもしれませんが、ものすごく大きな差を生みます。
実は、壮大な目標であればあるほど、バックキャスティングの方が圧倒的な効果を発揮するといわれています。
在るべき未来を思い描きながらという事は、先を見越し、先手先手でビジネスを進めていけるということ。
ここでのポイントは、現在の延長線上の”やがて訪れる未来”ではなく、自分たちが「こう在りたい」と望む”在るべき姿の未来”を指します。
ゴールまでの全体像を見ながら進めていくので、大きなミスやトラブルを未然に防ぐこともできるし、もしミスがあっても、すぐに対処ができます。
バックキャスティングは、経営において、それほどまでに大きな効果をもたらしてくれるのです。
1メートル先も見えない霧の中を、小さな歩幅で探り探り、ゆっくりすり足で歩いて行くのと、霧が晴れ、視界良好の状態で、大きな歩幅で歩いて行くのと、どちらがゴールを目指しやすいかは、すぐに想像がつきます。
この例えでは、バックキャスティングの思考は後者であるということも分かりますよね。
当然、予言者でもなければ、未来を的確に言い当てることなど誰にも分かりません。
しかし未来を予測する事はできます。
さらにそこから、自分たちが「こう在りたい」と望む”在るべき姿の未来”を打ち出していくことはできるはず。
今のままの環境では、近い将来地球はボロボロになり、人々は生きていけなくなる。
現状のデータに基づき推測していけば、大きくズレることはないでしょう。
その未来予測から導き出された答えこそが、SDGsの目標そのものなのです。
(事業を長期的に続けていくために”これからの”経営に必要な思考とは)
SDGsとはバックキャスティングそのもの?
SDGsの目標は、どれも最重要な課題です。
例えば「SDGs14、海の豊かさを守ろう」は、正式には「持続可能な開発のために海洋・海洋資源を保全し、持続可能な形で利用する」ということです。
そのためには?さらに深掘りされたターゲット目標を見てみると、「14.3、あらゆるレベルでの科学的協力の促進などを通じて、海洋酸性化の影響を最小限化し、対処する。」と書かれています。
ではそのために、「14.3.1、承認された代表標本抽出地点で測定された海洋酸性度(pH)の平均値」を基準にした動きをしていく。
そのために、この動きを自分が経営している会社の技術やサービスでできれば(もしくは関連した動き)とつながっていきます。
これこそ、未来の在るべき姿から逆算したバックキャスティングですよね!
SDGsの目標はどれも、壮大で手がつけられないように思われがちですが、そのゴールを目指して深掘りしていき、段階のプロセスを経て達成に向けた動きをとっていくことが重要なのです。
時のアメリカ大統領、ジョン・F・ケネディの”ムーンショット”というお話をご存知でしょうか?
まだ誰も月に行ったことがない、そんな開発や準備も整っていない時代に「10年後に月に行く」という、当時では考えられないほど壮大な目標だけを立て、開発は後追いで急ピッチで進められました。
この”アポロ計画”で見事に人類初の結面着陸に成功したのです。
まさにバックキャスティングを象徴するともいえるお話ですよね。
目指す未来やゴールを決めるということは、ある意味「やるしかない」という状況に、自らを追い込みます。
しかし、SDGsを考えた時、本当にいま達成に向けて動けなければ未来はなく、まさに「やるしかない」のです。
バックキャスティングはそもそも、環境問題などの壮大なテーマをきっかけに生まれた考え方だといわれているので、SDGsと相性が良いのも納得ですよね。
フォアキャスティングはその場しのぎの対処療法、バックキャスティングは根本の原因にアプローチした考え方、と捉える方もいます。
短期目標はフォアキャスティング 、中長期目標はバックキャスティング、というように、その目標に合わせた手法を選択することが望ましいですね。
SDGsが、世界が目指す壮大な目標という事は、世界中の人々が求めるニーズがそこにあるという事。
ニーズに対して、あなたが経営している会社の技術やサービスといったリソースを活かして応えていけば、それは世の中から求められる、選ばれる会社になり、ビジネスも加速、会社の発展・成長につながるという、好循環のループを生み出します。
SDGsがビジネスと相性が良いというのは、こういう事なのです。
さらにSDGsは、経営に取り入れていけば、企業イメージがアップし”選ばれる”会社になったり、自らの判断で主体的に動ける優秀な従業員の育成、そして優良な人材の採用につながるなど、会社にとって有益なことの数々が期待されています。
(令和の人材育成は経営戦略にも必須な今話題の○○がカギになる!)
(なぜSDGsを経営戦略に取り入れると優良人材の採用につながるのか?)
SDGsを成功の法則に!中小企業が活躍する時が今!
「うちのような小さな会社に、世の中の問題なんて、スケールが大きすぎてついていけない」と思うかもしれませんが、まったく気にする事はありません。
そもそもバックキャスティングとは、それほど大きなスケールを描いて進めていくのですから。
むしろ、SDGsやバックキャスティングを取り入れた経営をしていくには、規模の小さな会社の方が、有利だといわれるくらいです。
情報や指示系統の伝達は、大企業に比べて圧倒的に速く、会社一丸となって、同じ方向を見ながら進んでいける、あなたが経営しているような会社には、SDGsやバックキャスティングの浸透もスピーディーなはず。
バックキャスティングで、壮大な”在るべき姿の未来”というゴール設定を描くからこそ、いま自分の会社が何をしていくべきなのかが明確に見えてくるようになります。
やるべきことを明確に見える化させれば、従業員たちもブレずにみんな同じ方向に向かって、事業を進めていくことができるのです。
コロナの影響により、経営が立ち行かなくなるという不安を抱えた中で、できる経営者たちは、コロナ渦が中長期の問題と捉え、”アフターコロナ”に向けて、逆算して、いま自分たちが何をするべきなのか、そのための第一歩に何から始めれば良いのか、というバックキャスティングで、すぐに考え、従業員たちからもアイデアを募り、できることから実行に移していきました。
あまり慣れていないバックキャスティングの考え方だから、最初は戸惑うかもしれません。
いくら山を登りたいといっても、いきなりエベレストの登頂は達成できません。
バックキャスティングの思考で逆算すれば、まずは低い山から挑戦し、装備を揃え、仲間を集め、経験やノウハウを蓄積しながら、段階のプロセスを経て、エベレストを目指すでしょう。
その中で、「自分は長らくスポーツをやっていたので体力が売り」、「私は看護資格があるから、登山中の緊急時には対応できる」というリソースを出し合いながら進めていけば、登頂の可能性は上がるはずです。
中長期目標があってこその短期目標です。
目先のことだけにとらわれずに、ぜひ経営にSDGsとバックキャスティングを取り入れ、世界も、あなたが経営する会社も持続させていきましょう!
重要なことなので繰り返しになります。
SDGsに書かれている目標は、世界で優先的に解決していかなければいけない最重要課題です。
この17の目標を達成できれば、地球が、世界が、あなたが経営する会社が持続し、明るく平和な未来に繋がります。
すなわち、SDGs17の目標は”17の成功法則”と捉え、一丸となって取り組んでいきましょう。
目の前に成功の法則がある時、経営者のあなたならどうしますか?
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