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これからの経営はサステナビリティ(持続可能性)が求められ、SDGs(エスディージーズ)を経営に取り入れ、ビジネスという手段を使って、収益を伸ばしながら世の中の問題解決に向けて動いていく。
そうでないと世の中から認められず、あなたが経営している会社の商品やサービスは選んでもらえなくなっていきます。
あなたの会社はいかがでしょうか?
しっかりとしたSDGs経営でビジネスを通じながら、世の中の問題解決への動きはできていますか?
大手企業ではどんどんSDGsが標準装備となってきており、その波は、あなたが経営している会社をはじめとした中小零細企業にも広がりを見せてきています。
あなたは一人の経営者として、一刻も早くこのチャンスの波に乗り、問題解決型のビジネスをしながら、経営している会社を発展・成長させていく必要があります。
従業員たちの笑顔、お客さんの笑顔、愛する家族の笑顔、そしてあなた自身の笑顔、それを持続的に守っていくことも、経営者としてのあなたの役割ですよね。
あなたが経営している会社が、周囲にもたらす影響力を忘れてはいけません。
その影響力をさらに広げ、あなたが経営している会社だけでなく、関係している周囲の人々、ひいては世の中の問解を解決をしながら、世界を発展・成長させていける力が、SDGsに期待される大きな可能性の一つです。
そしてどんな業種であっても、SDGs経営ができるというのが、SDGsの特徴です。
ビジネスで世の中の問題解決?SDGs経営って何?こんな疑問をあなたは抱いたかもしれません。
今回は、SDGs経営における問題解決型のビジネスを進めていくための、2つのポイントをお話ししていきます。
それはズバリ、問題の原因問題を考えること、ストーリーを描くこと、この2つです。
この二つのポイントを押さえながら、成功への階段を駆け上がっていくのです。
もしも今、僕たちがビジネスを通じて”成功”という言葉を使うとするなら、最終的には「自分を含め関わるすべての人たちが笑顔でいられること」ではないでしょうか?
「自分だけが笑顔」であっても幸せではないはずです。
成功の階段を登った先に、みんなの笑顔が見られるよう、これを機に経営にSDGsを取り入れていきましょう!
これからの経営に必須なSDGsとは世の中の問題解決の百科事典
しかしながら、SDGsをきちんと理解してうまく活かしていかなければ、成功への階段を駆け上っていくことはできません。
ここでSDGsについての説明から始めていきますね。
SDGs(エスディージーズ)とは、国連で採択された世界の目標のことで、Sustainable Development Goalsの頭文字を取ったものです。
今、世界では様々な問題が巻き起こり、このままの状態では、近い将来、人々が地球上で生きていけなくなるという、信じがたい危機が訪れています。
しかし、これは決してウソでも大げさな話でもありません。
温暖化に歯止めをかけよう、脱プラの社会を目指そう、労働搾取をやめよう、生産者や品質を考えた消費をしよう、というニュースで聞いたことがある問題の数々は、SDGsに結びついています。
恥ずかしながら僕自身も、これらの問題が自分ごとになっていなかった頃は、よく耳にはしていたものの、右から左に流れていくだけのニュースの一つにすぎませんでした。
世の中の問題の数々は、もはや対岸の火事ではなく、これらの問題がこのまま解決されなければ、当然のことながら、僕ら自身にも、そして僕たちの子どもや孫の世代には、確実に生きていけなくなるというような大問題にまで発展してしまうのです。
SDGsは、地球規模にまで膨れ上がった数ある問題の中から、いま一番優先的に解決していかなければいけない問題を、大きく17項目に振り分けた目標のことをいい、そこからさらに169個の細分化されたターゲット目標が存在します。
貧困、飢餓、健康・福祉、ジェンダー平等、エネルギー、産業、人権、生産、気候変動、海や陸の環境などなど、SDGsの問題は多岐に渡っていることが分かります。
百聞は一見にしかず、まずはこちらから、SDGsの17目標と169のターゲットを見てみましょう。
[環境省:SDGグローバル指標(SDG Indicators)]
いかがでしょうか?カラフルで目にとまり、誰にでも覚えやすいデザインが特徴的ですよね。
さて、ここで改めて経営について考えてみましょう。
すごくシンプルに考えて、会社を経営するということは、ビジネスを通じて、その会社の技術やサービス、商品で、「お客さんが望む要望や困りごと、問題を解決をしていくこと」ですよね。
そしてその正当な対価としてお金を得る。
当然ながらその収益は、役員報酬や給料といった形で、経営者であるあなたをはじめ従業員たちの生活資金を確保し、会社を成長させていくというわけです。
「お客さんが望む要望や困りごと、問題」には様々なものがありますよね。
ブランド品が欲しい、美味しいものが食べたい、痩せたい、綺麗になりたい、オシャレしたい、などの個人的な欲求から、それら製品の原材料、卸売、加工、流通、販売など、各ステークホルダーとのやりとりの間でも、物品やサービスの売買があれば、そこには望みや困りごとなど、求めるものがあるということです。
あなたが経営している会社も、誰かが望むことに対して、そのサービスや商品、技術を届けることで、問題を解決したり、その一助となっているはず。
では、数あるたくさんの要望や困りごと中で、最も求められるもの、叶えたいと願うものは一体なんなのか?
その答えは、”自分が生きていくための環境”ではないでしょうか。
人は地球という星を借りて生きています。
地球環境が悪化すれば、そこに人間は生きていくことができない、人間社会が成り立たなければ、当然、経済という概念すらなくなる。
とても単純な社会の原則です。
しかし今、前段に出てきたとおり、地球環境は莫大なダメージを受け、気候変動や、陸、海、大気は汚染され、争いごとが起きたり、労働搾取で貧富の差は増すばかり。
人間が自ら、われわれ自身の生きていく可能性を下げてしまっているのです。
だからこそ、ここでSDGsに書かれている目標の達成、すなわち世の中の問題解決が必要になってきます。
SDGsには、僕たち人間がこの先の未来を生きていくために、真っ先に問題解決に取り組まなければいけないという、最優先の目標が書かれています。
このSDGs目標に沿った、事業やビジネスを展開していくことで、会社としての収益を伸ばしながら、同時に世の中の問題解決への流れを作っていけるのです。
SDGsは、世の中の問題解決のための目標が17項目169個書き出されている、まさに問題解決に向けた百科事典といえるのです。
SDGs経営をしていくためのステップ
SDGs経営をしていく上での大まかなステップの一例が以下のとおりです。
これは僕がSDGsを実践していく上で、経験を元に体系化したステップです。
1.SDGs自体の理解と社内浸透
2.あなたが経営している会社とSDGsの目標との紐付け
3.世の中の問題・社会課題にはどのようなものがあるのかを抽出
4.あなたが経営している会社の技術やサービスが、世の中のどんな問題解決、またはその一助となるのか
5.その技術やサービスが、2.の紐づけから発展して、別の目標達成に向けた広がりを見せられることはないか
6.新規事業として、明確なサービスとして展開させていく
あなたが経営している会社の技術やサービス・商品といったリソースが、SDGsのどの目標達成に寄与できるのか、まずは目標との紐付けを行ってみましょう。
その他にもSDGs実践のためのPDCAについて、詳しくはこちらの記事をご覧ください。
(経営にSDGsを取り入れていくための2種類のPDCAの回し方とは)
当然、前提にはSDGsの理解は必要、それは大前提のこととして、社会問題解決型のSDGs経営への第一歩は、自社のリソースや強みを見直し、理念やビジョン、ミッションとSDGsの目標と照らし合わせて、世の中のどんな問題解決のために自社の力が発揮できるのかを考えることから始まります。
冒頭お話ししたとおり、これからの会社経営にはサステナビリティが求められます。
たとえあながた経営している会社が、それを求めていなかったとしても。
社会に求められていることに応えていけない企業は、存在価値を失います。
では、「サステナビリティにコミットしている」ということをどのように世の中に示しながら経営をしていけばいいのか?
答は見えてきましたよね。
そう、それがSDGs、社会の問題解決に向けた経営ということなのです。
時には、新たに新規事業を開発することもあるかもしれないし、今ある自社の技術やサービスを別の分野で活かし、新たな市場の開拓につなげられることも十分に考えられます。
例えば、元々はカメラのフィルムメーカーであるFUJI FILMは、その開発で培ってきた技術を活かし、現在は化粧品などヘルスケア商品の分野(SDGs3番)で業績を大きく伸ばしています。
このような視点もまたSDGsから得られる大きなヒントとなるでしょう。
あなたが経営している会社でも、従業員たちと共に柔軟な発想で、リソースとSDGs目標への紐付けを行ってみましょう。
自分だけでは気づかなかったヒラメキやアイデアが、必ず出てくるはずです。
SDGs経営に必須な「問題の原因問題」を探る力
ここまでおつきあいいただきありがとうございます。
ここでやっと本日のテーマである、SDGs経営をしていくためのポイントについてお話ができます。
SDGs自体が、まだまだ浸透していないので、手前の説明でじっくりお時間をいただきました。
さて、ここまでのことを簡単にまとめると、これからの企業は、社会の問題解決にコミットした経営をしていくことが重要だとお話ししてきましたが、そのための基準であり、最優先の問題解決のための目標が載っている百科事典がまさにSDGsです。
しかし、このSDGs17目標169のターゲットを見た、ある経営者から、こんな質問をいただきました。
「全体的に途上国の問題解決へ向けた目標が多いのでは?」という質問です。
貧困や飢餓、健康や教育、豊かな水の確保など、確かに途上国が必要としている目標のようにも感じられますよね。
SDGs17項目を大きく区分けしてみると、1~6までは途上国、7~12までは先進国というように分けられることに気づきませんか?
さらに13〜15はもはや途上国も先進国もなく、地球規模の目標です。
(SDGs目標区分けの表)
それを、すべての人に公正に(SDGs16)、みんなで協力してパートナシップを発揮して達成していこう(SDGs17)というものがSDGsの全体像です。
しかしながら、矛盾するように聞こえるかもしれませんが、それぞれの目標を完全に区分けして考えてはいけません。
日本にも貧困や飢餓で苦しみ、十分な教育を受けられない人もいますし、特にジェンダーの平等は日本はかなり低いという評価を受けてしまっています。
「すべての問題はつながっている」という認識で問題解決へ向けて、自分たちに何ができるのかを考えてみましょう。
例えばこんな意見もいただきました。
「世界人口は爆発的に増える一方、日本は少子高齢化が進み、危機的な状況に歯止めをかけたいが、SDGsにはそのような目標が書かれていない。」
確かに、その通りです。
ここで、本日のポイント「問題の原因問題を考える」ことが重要になってきます。
なぜ少子高齢化になっているのか、その原因問題は?
少子高齢化というのはあくまで結果的な問題であり、その根本的な原因問題がある、というように捉えます。
少子高齢化の原因問題は、未婚率の増加だったり、晩婚化、育児環境への不安など、様々な要因が考えられます。
これらの問題解決をするためには、どのようなことに取り組んだ経営やビジネスを展開すればいいのか?と考えてみましょう。
例えば、未婚率増加の原因問題の一つとして、結婚後の経済的不安や収入格差があるといわれています。
未婚率が高いのは、「結婚をしたくないわけではなく、したくてもできない」という不安がありそうですね。
であれば、まずは経済の底上げにつながるような、ビジネスを展開していく、となればSDGsに照らし合わせると、8番『働きがいも経済成長も』という目標が浮かび上がってきます。
「育児環境への不安があり、結婚相手が仕事で忙しく、育児を手伝う時間を作ってもらえなかったら・・」という不安が原因だとしたら、その問題解決のために向けた目標は、10番『人や国の不平等をなくそう』がそれに当たるかもしれません。
まだまだ課題は多いですが、会社側としても男性の育児休暇や、男女含め子連れ出勤が可能な環境を作れれば、問題解決への一助になるかもしれませんし、コロナの影響も手伝い、これからは常識になりつつあるリモート出勤が可能な職種であれば、子どもを持ちながら働ける可能性がぐんと広がることは間違いないでしょう。
これらの話はほんの一例ですが、一つの問題を深掘りし、その原因問題を見出し、問題解決へ向けて、自社の技術やサービスでどのように解決へ向けた動きを示していけるかを考えてみましょう。
また自社の経営として、従業員たちにこのような不安を与える経営をしてしまっていないかを見直す必要もあります。
SDGs経営をしていく上で、問題の原因問題を深く考えることも大きなポイントの一つです。
SDGs経営はストーリーで伝える!?
原因問題を深掘りし、自社の技術やサービス、商品といったリソースと紐付けができたら、それをストーリーとして描いていきましょう。
なぜこのようなビジネスを展開しているのか、なぜこのSDGs目標の達成に向けて取り組んでいるのか、そこに至った経緯や、あなたが経営している会社が取り組む意味、どういう未来に向かって、自社のリソースを使って世の中のどのような問題解決のために、どんな事業を展開しているのか、などを順序立てて、ストーリーを描いていくのです。
「売りたいから売る」では誰も買ってくれないし、世の中に認めてはもらえません。
認めてもらうために、きちんとしたストーリーを描き、理解してもらうために世の中にプレゼンテーションをしていく必要があるのです。
ホームページで打ち出していくことだったり、相手企業への提案など、さらにはあなたが経営している会社内にも伝わるストーリーということが重要です。
従業員たちが自社の事業に誇りを抱き、やりがいを持って働いてくれれば、個人的にも「うちの会社では〇〇な問題解決に向けて、SDGsの△△番に貢献しながら、こういう取り組みをしている。その部署で自分は□□の担当として働いている」というように主体的に発信してくれれば、口コミにもつながります。
例えばテレビCMでも、商品やサービスの説明をするといったものの他に、自社の理念や「どういう想いを持っているか」にフォーカスしたものが流れていたりするのですが、まさに自社のストーリーを描いたものを発信していますよね。
技術やサービスという”価値”は当然のこととながら、人は想いに”共感”したら行動に移します。
行動とは、購入することかもしれないし、人に伝えてくれることかもしれません、または社内で考えると、一層にやりがいを持って一生懸命に働いでくれることでもあります。
社内外に想いを伝え、それを実際に嘘偽りなく、問題解決のために実行していくことが、SDGs経営には求められます。
実は当然でシンプルなことですよね。
SDGsの紐付けも、ストーリーを描くことも、経営陣だけで考えるのではなく、社内全体で共有し、意見を出し合い一つのプロジェクトとして作り上げていきましょう。
共に考えることでまた、従業員たちからの共感も得られるし、何より経営者のあなたを含め、本人たちが自ら考えるわけですから、一層に主体的に動き、自分自身や会社の成長にもつながっていきます。
これは、規模の小さいあなたが経営している会社だからこそできる、とても大きなメリットです。
SDGs経営で世の中の問題解決に向けて動ける、あなたが経営しているような会社が、これからの未来には必要なのです。
いかがでしたか?
あなたが成功への階段を登った先に、みんなの笑顔が浮かんでいるようなストーリーは思い浮かんだでしょうか?
さぁ、明るい未来と会社の成長・拡大に向けて早速動いていきましょう!
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