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日本の421万企業のうち99.7%が、中小企業という現代。
各社、生き残りや成長・拡大のために、日々様々な戦略を練っているはずです。
安定せず、先の見えない未来に、経営者のあなたが、今最も戦略的に取り組むべきこと、それが「イノベーションに向けた動き」です。
ところで”イノベーション”てどのような意味でしょうか?
シュンペーターという人物が、1911年に著書ではじめて”イノベーション”という言葉を定義したとのこと。
イノベーションの定義は以下の5つ。
1)新しい財貨の生産・新製品開発
2)新しい生産方法の導入
3)新しい販路の開拓
4)原料や供給源の獲得
5)組織改革
様々な面での、新たな改革や革新、開発、といったことがあげられます。
情報や技術に溢れる現代ではありますが、それでも「今さら新たな取り組みなんて難しい」「うちは代々祖父の代からこの方法で経営してきた」などという考えではいけないということは経営者のあなたもお気づきのはず。
今までの”当然”は過去のもの、すぐに古びて置いていかれてしまいます。
あなたは、どちらかというと、「イノベーションを起こして、もっと新たな戦略にチャレンジをしていきたい」「今のやり方ではこの先、自分の経営する会社が続くか不安」と思っているのではないでしょうか?
言葉は違えど、「今までにない新たなことを、戦略的に打ち出していかないといけない」という認識がある経営者さんは、この続きを読んでみてください。
いや、今までこのようなことを考えたこともなかった経営者さんにも、ぜひ読んでいただきたいです。
あなたが経営している会社が、イノベーションを起こすために、経営戦略に取り入れるべきモノ、それがSDGs(エスディージーズ)というものです。
経営戦略に必須のSDGsってなんのこと?
SDGsという言葉を聞いたことはありますか?
最近では、メディアでも少しづつ取り上げられてきており、胸にカラフルなバッジをつけている経営者さんや、ビジネスマンの姿をよく目にする機会が増えてきました。
しかし、その意味を知っているかというと、「言葉は知っている」「国連の目標」「環境問題」など、少し物足りなさを感じていることも。
SDGsを”物足りない知識”だけで終わらせずに、経営者のあなたをはじめ、しっかりとあなたが経営している会社全体に落とし込んでいくことで、戦略的にイノベーションを起こしていく道を開こうというのが、今回のお話です。
イノベーションとSDGsには、どんな繋がりがあるのか?SDGsを自社の経営戦略に落とし込むことが、なぜイノベーションを起こすことになるのか?
まずはSDGsについてお話ししていきます。
すでにSDGsを知っている経営者の方も、おさらいとして聞いてください。
SDGsとは「Sustainable Development Goals」の略で、日本語では「持続可能な開発目標」と訳されます。
これは国連で、加盟国193カ国が全会一致で採択された世界の目標です。
では、どんな目標なのか?
温暖化による気候変動、そこから派生するさまざまな災害・・異常気象や海面上昇や干ばつ、熱波による死亡や疾患、食料不足など、深刻化すれば数えきれない被害を及ぼします。
というより既に深刻な状態になっているのは、ニュースや新聞をご覧いただければお分かりですよね。
その他、海に流れ出した大量のプラスチックゴミで、生き物は餌と間違えて食べてしまい、生態系の破壊に繋がっています。
なんと、哺乳動物の12%、鳥類の11%、魚類・爬虫類の4%が絶滅の危機に瀕しているとの報告も。
気候変動も含め、海では漁獲量は安定せず、温暖化による海面上昇は、養殖業にも大きなダメージとなっているのです。
土壌の劣化と侵食、化学薬品の乱用で、小規模農家は収入を圧迫され、貧困に。
次は、環境問題だけではなく、人間の社会的側面からも見てみましょう。
日本をはじめとする、豊かな先進国では、お金を払えば好きなものを食べ、好きな服を着ることができます。
例えば、甘くて美味しいチョコレート。
原料となるカカオのほとんどは、アフリカの国々で作られています。
カカオ農園で働く労働者の多くは子ども、それも人身売買によって連れてこられた児童たち、ということがいわれています。
子どもたちは、その日1日を、満足に食べていけないほどの低賃金で働かされ、その手で収穫されたカカオは、のちに甘くて美味しいチョコレートになるだなんて知ることもないのです。
衣類に注目してみましょう。
衣類の代表的な素材の一つである綿。
綿の生産の多くはインドで作られ、そこでも多くの子どもたちが、劣悪な環境で働かされているといいます。
もし、あなたが生産元のことを知らずに、加工されたこれらの製品を購入していたとしたら、それは知らぬうちに、児童労働に加担していることになってしまうのです。
上記にあげたことは、世界の数ある問題のほんの一部です。
そして、それらはずべてが影響しあい、繋がっています。
さらに詳しくは、こちらをご覧ください。
(SDGsを取り入れた経営戦略であなたの会社を大きく成長させるには)
あなたが経営している会社も関わっている世界の問題
今、SDGsについてあげた問題、「これってうちの会社になんの関係があるの?」「貧困国に比べて日本は豊かだから大丈夫」と思う経営者さんもいるでしょう。
かくいう僕自身も、このSDGsについて知るまでは、環境問題も、社会問題も、チョコレートや綿の生産地など、考える概念すら持っていませんでした。
しかし、今なぜ世界をあげて、地球規模でSDGsという目標が掲げられているのかということを考えてみると、すごく分かりやすいかと思います。
先ほどのリンクの記事にも書いてありますが、
(SDGsを取り入れた経営戦略であなたの会社を大きく成長させるには)
例えば、海にあふれたプラゴミのせいで、海洋生物はこのままだと、今後ますます減っていきます。
プラスチックは土に還ることがないので、海で細かく削られ、マイクロプラスチックとなり、餌と間違えて魚などの体内に入り込みます。
それを人間が食べているとしたら・・
ちなみにマイクロプラスチックは、5mm以下の大きさと定義づけられていて、人間が料理で使う塩の中にはすでに入っているともいわれています。
まだ、今のところマイクロプラスチックの人間に対する健康被害は報告されていませんが、魚や牡蠣にはダメージが出ているという報告もあります。
プラごみ問題だけでなく、温暖化も、そこから派生する災害など、すべての原因は、人間による開発からくるもの。
いよいよ目の前に、僕たちの命に関わるほどの危機が訪れてきているということに、全人類が気づき、改善に向けて行動することが、SDGsから課せられた宿題だといえるのです。
それは、決して先延ばしにできる猶予などないという深刻な状況だということに、早く気づかねばなりません。
人類の開発・発展には、多くの企業が関わってきたはず、それが仕事となり、多くのモノが造られ、山が切り崩され、海が汚されてきました。
誤解を恐れず極端なことをいうとするならば、今の地球環境を壊してきたのは、企業なのです。
そしてその開発で、人間が自分たちの命に関わる危機的状況を作り出してしまったのです。
SDGsは『持続可能な開発目標』のこと。
海や陸の生き物が持続して生きていけるよう、これ以上気温が上がって、災害が起きないよう、貧困で命が絶たれないよう、持続していくための開発・発展をしていこうという目標なのです。
「目標」といえば、少しやさしく聞こえるかもしれませんが、SDGsは人類が地球上でいきていくために達成しなければいけない「使命」であるといえます。
今、あなたが経営している会社がイノベーションを戦略的に起こしていくには
前置きが長くなってしまいましたが、上記以外にも数えきれないほど多くの問題が、世界で、そして我が国日本でも起こっているわけです。
SDGsをただの目標で終わらすことなく、世界の”共通言語”として、企業が自社の技術やサービスを使って、問題解決に向けた動きができれば、世の中は大きく動きます。
それは、あなたが経営している会社一社だけでは、当然解決できるものではありません。
だからこそ、ここで出てくるのがイノベーションというわけです。
あなたが経営している会社の強みは何ですか?何を専門としたサービスや商品を販売していますか?
それは社会にとってどんな問題解決の一助になりますか?
まずは、SDGsの17の目標、さらに細かに分けられた169のターゲット目標に紐づけて、あなたが経営している会社のスキルが活かせる分野を洗い出してみましょう。
そしてそれを、戦略的に経営に取り入れ、ビジネスとして回していき、社会に貢献しながら、あなたが経営している会社も発展・成長させていくのです。
あなたが経営している会社がイノベーションを起こすためのポイントとは?
この先の戦略こそが、僕が今回お伝えしたいことです。
SDGsの目標に紐づけして発信していけば、社会貢献性が重要視されている現代では、あなたが経営している会社のブランディング戦略にも繋がります。
信頼される企業になれば、当然、依頼や受注の量も増え、生き残りや成長につながるはず。
でも、それだけでは、今までとやっている仕事内容は大きく変わりませんよね。
今までと変わらないことをしていて、世の中の危機は果たして変わるのでしょうか?
あなたが経営している会社だけが、売上を伸ばすことに成功しただけで、世の中の問題は大きく改善されるのでしょうか?
SDGsを世界の共通言語として話すことができれば、例えば
A社:「弊社では”SDGs14番、海の豊かさを守ろう”を掲げ、○○技術を活かして□□することで、海洋生物にダメージを与えず、豊かな海を守ることに力を入れています」
B社:「であれば、御社の技術をウチの△△のサービスと組み合わせれば、新しく☆☆の”新サービス”として展開していけます。これは海だけでなく陸の生き物を守ることにも繋がりますね(SDGs15番、陸の豊かさも守ろう)」
というような広がり方をして、世の中を良くするための新たなひらめきやサービスが、急速に増えていくはずです。
「自分が経営している会社さえよければいい」ではこの先の未来に、あなた自身や、あなたのお子さんたちが生きていけなくなるのです。
異なる専門分野の企業同士の結びつきによる、新たな発展がイノベーションの一つなのです。
上にあげた例え話は、実は実際に起こっていて、豊かな海を守るために、PROJECT IKKAKU というものがあります。
そこでは様々な専門分野の企業や工場、研究者たちが集まり、その技術やサービスを使って、新たなサービスを生み出していこうという”本気”のやりとりが進められています。
もちろんきちんと売り上げにつなげる必要があります。
イノベーションは「体力のある大手企業にしかできない」というものではありません。
あなたが経営している会社の強みを他社の強みと掛け合わせて、より良いものにしていければ、自ずとイノベーションになると僕は思っています。
イノベーションを戦略的に起こしていくには、”異業種”がポイントです。
同業では仕事の奪い合いになるか、孫請けになることが多く、「新しいものごとを生み出す」ことにはなりません。
異業種交流会に参加することもありかもしれませんが、ここでは気をつけておかないと、質の低い異業種交流会では、相手を「顧客対象」に見る、または見られてしまう可能性が高くなってしまいます。
やるべき戦略は、目の前の小さな顧客候補にアプローチするのではなく、(もちろんそれも必要ですが)、今回はあくまでイノベーションです。
共に新たなものやシステムを作って、世の中を良くしながら稼いでいける同士を見つけるということを忘れてはいけません。
イノベーションは”協業”ではありません。
イノベーションは”協働”なのです。
イノベーションを起こすチャンスが日本にはたくさんある!?
では、あなたが経営している会社が、どのように戦略的に信頼しあえる異業種の仲間となる企業と繋がり、イノベーションを起こしていけばいいのか?
その答えもまたSDGs、いやむしろ、だからこそSDGsが必要になってくるのです。
あなたが経営している会社のビジネスや戦略、取り組みをSDGsに紐付けして発信、提案していくことで、
・同じ問題を解決したいと思っている異業種企業とのマッチングがスムーズ
・社会貢献性のある会社だと認識され、企業価値やサービスの価値が上がる
・同じようにSDGsを経営に取り入れている会社と共通の話題で話を進めていける
・その話題は世界中の共通認識として話せる
ということが考えられます。
冒頭お伝えしたとおり、日本国内だけでも421万企業のうち99.7%が、あなたが経営する会社をはじめとする中小企業。
イノベーションへのチャンスとなる中小企業が、これだけ多く日本にはあるのですから、手を結ばない理由はありませんよね!
あなたが経営している会社のスキルと、他社のスキルを掛け合わすことで、新たな発展に繋がり、持続可能な社会の発展につなげる。
それは社会から求められる需要になるので、必然的に売上も増し、あなたが経営する会社も持続的に成長していける。
あなたが経営する会社に、イノベーションを戦略的に起こしていくためのカギこそが、SDGsというわけです。
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