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売り手市場の現在、良い人材の不足に頭を抱えている経営者は少なくないはず。
あなたが経営している会社も、そうではないでしょうか?
いくら従業員を増やしたいからといって、会社の方針に沿わない人材や、主体的に動けない指示待ちタイプの人材を採用したところで、あなたが経営する会社の良い未来は想像できませんよね。
分かっていても、有望な人材は、あなたが経営している会社よりも、大手企業に先に採用されてしまう・・
なんていうことが、今まで続いていたりしませんか?
「うちは決して大きな会社ではないけど、誠意と熱意を持って今まで走ってきた、サービスや商品には自信がある、このサービスが広まればもっと世の中が良くなる!」
あなたが経営している会社は、想いにあふれたステキな会社、このまま衰退させるわけにはいきません。
人材の採用は経営の肝、もっと戦略的に攻めていかなければいけません。
その戦略の一つが、今話題のSDGs(エスディージーズ)を取り入れた経営なのです。
SDGsを知れば戦略的な人材採用につながる
ある調べでは、企業が採用のために割くコストは、年間平均550万円以上。
550万払って、どれだけ良い人材が何人採用できるのか?
いいかえれば、「550万円も投資をした、採用戦略はうまくいったのか?」ということになります。
冒頭にお話ししたとおり、僕が改めていうまでもなく、有望な人材は大手企業に採用されてしまう事が多い。
あなたが経営している会社は、優良人材を採用するために、大手を相手にしながら、支払う給料面で勝てますか?ネームバリューで勝てますか?
これだけで勝負していては、採用コストにいくら費やしたところで、どれだけの良い人材を採用できるか、期待はできないでしょう。
地方の企業ともなるとさらに、採用は厳しいですよね。
そもそも若者は少ない、そして地元の学校にいても、卒業後は東京に行ってしまう。
地元経営の会社の、苦しい状況はずっと続きます。
そこで打って出る戦略こそが「SDGsを経営に取り入れた採用戦略」ということなのです。
SDGsとは国連で採択された「Sustainable Development Goals」の略で、日本語では「持続可能な開発目標」と訳されます。
もう少し詳しく説明しますね。
今、世界は未曾有の危機に立たされています。
温暖化、気候変動、大気汚染、海洋汚染・・様々な自然災害は、環境問題の悪化による連鎖ともいわれているのですが、それを起こしている原因を、あなたは知っていますか?
災害が起これば人間社会にも、もちろん被害はおよび、台風や集中豪雨の被災者は、苦しい生活が今も強いられます。
世界では、紛争や人身売買、適切な医療を受けられないなどの社会問題にも。
当然、社会の情勢が良くなければ経済の問題にも繋がってきます。
これらの負の連鎖が、今世界中で起こっているのです。
これは決して大げさなことではなく、このままでは本当に人間が、この先の未来で生きていけなくなるという危機的な状況です。
悲しきかな、原因はわれわれ人間。
人間がより良い生活を求め、環境を無視して様々な開発や発展をしてきた結果が、環境破壊に繋がり、今その悪影響が、災害などによって人間に跳ね返ってきているのです。
そんな、人間が起こした世の中の様々な問題を、「世界中で解決に向けて取り組もう」という、国連で採択された地球規模の目標がSDGsというものです。
SDGsについて詳しくは、こちらの記事をご覧ください。
(<経営 戦略 SDGs>の記事にリンク)
採用を強化するならSDGs経営は不可欠
さて、ではなぜ、このSDGsを経営戦略に取り入れる事が、優秀な人材の採用につながる戦略となるのか?
あなたは、世界の目標、環境問題・・・などと聞いてピンときましたか?
このままピンとこないようであれば、あなたが経営している会社の未来は、かなり危険度が増すといっても過言ではありません。
世界をあげて、様々な問題解決に向けて取り組まなければならない目標なのに、日本人はすごく遅れているように僕は感じます。
「このままでは人間が生きていけなくなる」といわれても、僕たちには関係ない遠い未来のことに思われがちですが、本当にすぐそこの未来なのです。
「あなたのお子さんやお孫さんの未来が危ない」となればどうでしょうか?
「2050年の海は、魚よりもゴミの方が多くて漁業ができなくなる」とか「世界人口が100億人近くになり、地球資源の枯渇」、一方日本では「大幅な人口減少と高齢化により、年金制度の崩壊」など、様々な問題が予測されています。
このままでは近い将来、本当に人間は愚か、他の動物たちもこの地球で生きていけなくなる可能性すらあるのです。
あなたは「今が良ければ、自分さえ良ければいい」という考え方ではない経営者だと思ういますので、続きをお話ししますね。
ここで、若者たちの目線で考えてみましょう。
”ミレニアル世代(2000年以降に成人を迎える世代)”の若者たちは、将来のことにとても敏感で、環境や社会の問題にはかなり関心があるといわれています。
当然、ど真ん中で自分たちが生きる未来のことなので、敏感なのもごもっとも。
そんな現代のミレニアル世代をはじめ、今は小学生からでもSDGsについての授業や教育が始まっています。
さらにミレニアル世代は、仕事に対して、”社会貢献度”や”やりがい”を求めるともいわれています。
だからこそ、あなたが経営している会社は、戦略的にSDGsを取り入れた経営を行い、世の中にPRしていくべきなのです。
SDGsに取り組むこと自体が、社会貢献性の高い事業を行なっていることになる、となれば経営戦略としてSDGsを取り入れない手はないといえます。
ホームページやSNSで、あなたが経営している会社とSDGsを絡めた発信、就活・採用イベントでのPR、経営者であるあなたをはじめ、従業員たちへのSDGsの推進など・・
小さなことから進めていける戦略はたくさんあります。
もちろん付け焼き刃や、「やっているふり」ではなく、しっかりとSDGsを経営の真ん中に置き、あなたが経営している会社全体で戦略的に進めていかなければなりません。
若者は、自分たちが生きる未来を任せられる会社を、そして自分たちも、そこで共に未来を変えていけることを望んでいるのです。
どのように採用を戦略的に行うと人材は集まるか
先ほど、「地方の企業は地元で人材を採用するのが大変」というお話をしました。
そこで、SDGsを戦略的に取り入れ、盛り上がった就活イベントの事例をご紹介します。
石川県金沢市でも同じように、学生は卒業後、東京などの都市に出ていってしまうことが多く、企業の経営者たちは、採用にすごく困っていました。
地元に残り、やりがいと地元愛を持って働きにきてくれる、有望な若者はいないものか。
そこで、SDGs経営に取り入れた採用戦略の出番です。
『SDGs×就活』と題したイベントを開催したところ、企業も学生も、当初の予想を大幅に上回り、特に学生は募集の倍の人数が集まったという話があります。
それだけ学生にとってSDGsは、価値のあるキーワードだったということですね。
今では、第二回、第三回と続き、金沢以外の街でも、この就活イベントは開かれるようになってきています。
もう一つ例を挙げると、こちらは大手にはなりますが、RICOHという会社でも、SDGsと経営を結びつけた戦略を早い段階から進めていました。
SDGsを戦略的にしっかり浸透させ、若者だけでなく、経営層から従業員たちまで、自社の目指す方向がきちんと示され、社内の意識もすごく高いそうです。
そうすると、ある部署の採用では、環境意識の高い学生が「白くまを守りたいから」という理由で入社してきたといいます。
「この会社の技術で、温暖化を防ぎ、白くまを守りたい、自分もその一助になりたい。」というわけです。
これって、あなたが経営している会社の採用戦略にとっても、かなりのヒントだと思いませんか?
SDGsに対する認識は、日本では地域によってばらつきがあるようです。
例えば長野県は、県をあげてSDGsを推進しており、”SDGs未来都市”にも選定されています。
そのような地域は、SDGsに熱心な学生側も、就活において、SDGsの達成に向けて明確に動いている企業への就職を求めるということを、長野県で事業を行う経営者さんから、僕もじかに耳にし、僕が住む東京とでの温度差を感じました。
あなたが経営している会社の地域ではいかがでしょうか?
SDGsのアンテナを立て、それに合わせた戦略を立てていくのも良いでしょう。
まだSDGsが浸透していなかったとしても、逆にそれは他社との差別化を図る上で、先手を取れるということにもなりますので、いずれにしてもSDGsは採用戦略としては有効だといえます。
SDGsを経営のど真ん中に入れることが採用戦略のポイント
あなたが経営している会社で、環境や社会の問題に対する動きを”オマケ”のように見せるのではなく、実際に経営に落とし込んで、事業として戦略的に問題解決に向けた動きをしていけば、自ずと意識が高い有望な人材の採用につながってくるというわけです。
これからの未来を生きていく若者たちは、環境や社会問題への関心が高く、アンテナを立てています。
そのアンテナに引っかかるような戦略を立て、それをきちんと経営に落とし込むことは、有望人材の採用につながるのです。
これは、経営者であるあなたの使命の一つといえるでしょう。
あなたが経営している会社で、採用に困っているようであれば、まずはSDGsを経営戦略の一つに加えることからはじめてみませんか?
短期的な付け焼き刃の解決を求めていては、世の中も、あなたが経営する会社も、持続的な発展は望めないということですね。
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