あなたが経営している会社は、環境問題の改善への取り組みはどのぐらい行っていますか?
このような質問をされた時に、すぐに答えられるかどうかで、この先の未来に、あなたが経営している会社の将来性を判断されてしまうかもしれません。
「うちは卸売業なので、特に環境には関係ありません」「うちは飲食業なので、環境を良くする取り組みはできません」などという回答をしてしまうとしたら、それは大間違い。
これからはあなたが経営する会社が、世の中の環境問題を改善していかなければいけないですし、そのような会社こそが世の中から必要とされていきます。
どんな業種であっても。
そして、環境を良くしようとする経営をしている会社こそが、この先の未来に成長していけるのです。
あなたが経営している会社では、今までお客さんの笑顔のために、一生懸命に商品を販売し、サービスを提供してきたはず。
誠意を持って一生懸命やってきたのに、気づかぬうちに、お客さんたちの笑顔をなくしてしまうような経営をしてしまっていたとしたら・・
ゆくゆくは信頼を失い、選んでもらえず、あなたが経営している会社も立ち行かなくなる可能性すら出てきてしまいます。
そうならないためにも、環境問題を意識した経営が必要なのが今!
一見、「自社のビジネスと環境問題なんて何も関係ない」と思うかもしれません。
しかし、一歩引いた視点から世の中の環境問題を見てみると、未来を揺るがすほどの大問題だということが分かります。
だからこそ、あなたが経営している会社が、いち早く環境問題を意識し、経営に取り入れることで、世の中に認められる会社として成長していくことができるのです。
環境に配慮した経営をするために、強い武器となるのがSDGs(エスディージーズ)へのコミットです。
今世界で注目されている、未来を変える目標SDGsを経営に取り入れることで、あなたが経営している会社は、一体どのような進化をしていくことができるのか?
ぜひ一緒に考えていきましょう。
環境問題を軸にSDGsを考えてみると
環境問題だけでなく、社会問題、経済問題など、様々な問題が巻き起こっている現代、この先の未来に、「われわれ人類が生きていけなくなる」というほどの深刻な問題を洗い出し、世界で最も優先的に達成していかなければいけない目標として、17種類に分類し、さらに169個に細分化されたものがSDGs(エスディージーズ)です。
具体的には、貧困、飢餓、健康・福祉、教育、ジェンダー平等、安全な水と衛生、エネルギー、雇用・経済成長、インフラ、格差・差別、都市の安全、生産と消費、気候変動、海の豊かさ、陸の豊かさ、平和と公正、パートナーシップ、と17種類あり、その一つ一つに細かに細分化された目標が169個存在します。
言葉では分かりにくいですが、こちらを見れば一目瞭然、カラフルでポップなアイコンは、記憶に残り、意識しやすい作りになっていることに気づくかと思います。
[環境省:SDGグローバル指標(SDG Indicators)]
さて、このSDGsですが、一つ一つ目標をよく見てみると、貧困や飢餓、教育やエネルギーなど、一見、環境問題とは関係なさそうな目標も入っていますよね。
どの目標も重要な世界の大問題であることは、先にお伝えした通り。
「環境問題や社会問題、経済問題など」実はどの目標も密接に絡み合い、一つ一つの目標それぞれが、それぞれに関わっているのです。
例えば、生産効率性が非常に高く、加工食品や洗剤、化粧品など、様々な用途で使用できるパーム油をご存知ですか?
これらの商品の成分表には”植物油脂”と書かれており、日本でも年間70万トン近くが消費されています。
パーム油は、アブラヤシから生産されるのですが、これが大問題。
世界中で大量に使われる油なだけに、広大な森林を伐採して代わりにアブラヤシが植えられるというわけです。
主にパーム油が作られているインドネシアやマレージアでは、1990年から20年間ほどの間に、九州がほぼ埋まるほどの森林が伐採され、パーム農園に変わりました。
森林を伐採すれば、温暖化の原因につながるだけでなく、大量の動物の生命を奪うことにも・・
そしてここでは、パーム農園では子どもたちが働かされています。
貧困な環境にある国の人たちは、その日を食べていくのが精一杯。
飢餓、健康、安全な水へのアクセスなどの問題を抱えつつ、十分な教育を受けられないまま、それでも食べていくためには子どもでも働かなければ生きていけないのです。
にも関わらず、働いたその労働は環境破壊に繋がってしまう・・
「SDGsは、それぞれの問題が密接に絡み合っている。」と、お伝えしたのはこういう理由です。
外国の一例をあげても、自社の経営に直接の関わりは感じにくいですよね、僕自身もはじめはそうでした。
しかし経済の視点で考えると、需要と供給で成り立っているのが本質、であれば、パーム油を求める(需要)われわれがいるからこそ、生産者は供給することになります。
食料自給率の低い日本は、輸入に頼っているのはご承知の通り。
であれば、パーム油、またはそれを使った製品を大量に輸入するということは、環境問題や児童労働に加担しているということになるのです。
なんといっても日本は年間およそ70万トンものパーム油を消費しているわけですから。
*パーム油自体が悪いわけではなく、その生産工程に問題があり、環境を破壊せずに持続可能な生産ができるよう、公益団体が、正規に作られた認証パーム油の使用を呼びかけるなどの対応も進められています。
なぜ環境へ配慮した経営が会社を進化させるのか?
世の中は、SDGsという言葉を知らなかったとしても、このような環境問題が未来への危機を大きく左右するということに気づきはじめています。
パーム油だけでなく、プラスチック問題やそこから派生する海ごみ問題、大気汚染など、これらの環境問題の解決に向けて取り組んでいかなければ、自分自身が、そして子どもや孫の世代が平和に笑顔で生きていけなくなるということに敏感に反応してきているのです。
遠い未来の話ではなく差し迫ったすぐそこの未来、となれば当然のことですよね。
敏感になれば、自ずと生活や仕事を通した環境への配慮について考えはじめます。
あなた自身もそうではないでしょうか?
であれば、「生活は生活、仕事は仕事、未来は未来」と割り切るのではなく、すべてを環境に配慮した生き方をしていかなければ、未来は変えられません。
だからこそ、あなたが経営している会社でも、率先して環境へ配慮した取り組みや、環境へ配慮したビジネスを経営の軸に置き、その姿勢を世の中へアピールしていく必要があるのです。
事業やビジネスとして表現する会社もあれば、まずは社内環境の整備から始める会社もあります。
小さなことからでも構いません、まずは意識を持って、一過性ではない、環境配慮のある経営の第一歩をスタートさせていきましょう。
節電、ペーパーレス化、水筒やマイバッグの利用も立派な環境配慮への取り組みです。
そして広く、環境配慮やSDGsへの取り組みを発信していき、従業員同士の意識を高めていきましょう。
そのためにはSDGsバッジやステッカーを使うことも、有効な手段の一つです。
大企業では、SDGsの意味をよく分からないままこのバッジを身につけている人が多く見受けられます。
意味も分からずつけていて、SDGsに反する行動を気づかぬうちに取ってしまったら、当然信頼は失いますよね。
ただの飾りではなく、真に想いを持って誠実に行動してこそのSDGsバッジ。
SDGs経営をしていくため、あなたがまずやることは、あなた自身がSDGsを理解し、その目標を意識した行動をとり、社内の雰囲気を変えていきましょう。
環境へ配慮した経営は、きっとあなたの会社を進化させてくれるはずです。
(SDGsを取り入れた経営戦略であなたの会社を大きく成長させるには)
環境に優しいSDGs経営で「かっこいい」会社に
僕のお客さんの会社で、下着からアパレル、化粧品や食などを通じて総合的に美容サービスを展開している会社があります。
一見、環境と関係ないと思われがちですが、社内にはきちんとSDGsが根付き、当然胸にはSDGsバッジが光っています。
従業員のSDGs意識も高いこちらの会社では、購入後に商品を入れ、お客様にお渡しする袋は、ビニールではなく、環境に優しいプラスチックではない新素材を使っており、その袋には自社がSDGsに取り組んでいることがきちんとPRされています。
これは、自社のアピールだけでなく、同時にお客様へのSDGsの推進にもつながるので、とても有効的な戦略だといえるでしょう。
この一例の他にも、あなたが経営する会社では、自社の製品の素材を環境に優しい素材に変えてみる、パッケージを紙にする、輸送にかかるエネルギーを抑える販売ルートを開拓する、など考え直せる部分が見つかるはずです。
そういう環境配慮のある経営をしている会社の方が「かっこいい」と、いわれる時代がくるはずです。
環境に配慮し、SDGs経営にシフトチェンジができるのは、あなたのような経営者がいる会社だと僕は信じています。
地球環境があってのわれわれ人類。
とても大きな話に聞こえるかもしれませんが、今僕たち自身が本気で意識して取り組んでいかなければ、一体誰が未来を守っていくことができるのでしょう?
SDGsを掲げ、環境に配慮した経営をしている会社は、イコール、未来を守る会社なのです。
そのような会社が非難されるわけもありません。
あなたが経営している会社もSDGsを取り入れ、未来を守る「かっこいい」会社を目指していきましょう!
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