新時代の経営には理念×SDGsがポイント

経営理念

会社を経営していく上で、持ち合わせていないといけない重要なものの一つが、”理念”です。

理念には大きくは二つ、企業理念、経営理念、というように分けられます。

企業理念は、「その企業が存在する意味」であり、仕事をしていく上で、大きな問題が起こったり、選択を迫られた時に、判断の基準にもなる、絶対に揺るがない行動指針の源ともいえます。

(従業員の離職を防ぐ理念とは?経営者が用意すべき企業の核となるもの!)

経営理念は、「経営者自身が、会社経営を行っていく上で、最も大切にしている想いや信条」であり、経営者としての行動指針の源です。

改めていうまでもなく、これらの理念から外れた行動をするということは、会社の存在、そして経営そのものを否定しているということになります。

企業理念や経営理念は、ただ額に入れて、高いところに飾っておくものではなく、経営陣、従業員にきちんと落とし込まれていてこそ、その効果を発揮し、会社の成長にも繋がっていくのです。

あなたが経営している会社ではいかがでしょうか?

従業員たちが日々の業務に手一杯で、周りを見渡す時間ががなく、今の自分が本来の目的を忘れてしまうと、悪気はなくても気づかぬうちに、自分本位な行動を取ってしまっているかも知れません。

また、経営者であるあなた自身が、経営理念を思い返すことを忘れてしまっていたら、重要な決断を迫られた時に、誤った選択をしてしまうかも知れません。

一生懸命やっているのに、このような些細な行動のズレが積み重なり、不要ないざこざが起こることを、誰も望んではいませんよね?

理念は本当に重要なものなのです。

しかし、重要な理念だからこそ、きちんと社内に落とし込まれ、息を吸って吐くほど自然に、理念に沿った行動を取れていれば、何かミスが起きた時も迅速にカバーし合え、大きなダメージを未然に回避できるのです。

ダメージ回避というよりも、むしろそれを超えて、会社の大きな成長・発展につながるはずです。

今回は、理念にSDGs(エスディージーズ)を絡めていくことで、より太く大きな企業の核を作り、あなたが経営している会社を成長・発展させていこうというお話です。

変化の激しい新たな時代の経営には、理念とSDGsが必須となってくるのです。

SDGsと理念の融合はメリット満載!

SDGsを理念に絡めることで

・従業員たちは、日々のやりがいを感じながら主体的に仕事をしてくれるようになる
・自社の技術やサービスを絡めた新規事業のアイデアが生まれてくる
・社会貢献性の高い企業として認知される
・選ばれるサービスや会社になる
・離職防止につながる
・優良な人材の採用につながる

などなど、様々なメリットが考えられます。

では、そのSDGsとは一体何なのか?

ここでもう少し詳しく説明していきますね。

SDGsとは、”Sustainable Development Goals”の頭文字と”Goals”の複数形”s”を取ったもので”SDGs”、「エスディージーズ」と読みます。

日本語では「持続可能な開発目標」と訳され、環境や社会、経済を中心とした、世界中のさまざまな問題点を集め、17種類169個に分類された世界の目標のことをいいます。

国連で採択された、この世界的な目標は、達成に向けてビジネスで取り組むことで大きな効果を発揮し、全世界で12兆ドルという莫大な経済価値を生み出すといわれています。

それほどまでに、今、日本を含め世界中で、様々な問題が巻き起こっているということなのです。

例えば、温暖化による気候変動、海洋ゴミ問題、地球人口の爆発的増加(日本では少子高齢化)、戦争、飢餓、貧困、人種やジェンダー、障害者などの差別や格差など、大きなことから小さなことまで、世の中の問題をあげればキリがありません。

しかしこのまま放っておけば、その問題はわれわれ人類に跳ね返ってくる、実はそれほどまでに、危機が迫ってきているということなのです。

特に日本人は、これらの問題に対する危機感が低いといわれています。

これらの問題の原因が何かといえば、答えはわれわれ「人間」。

人類が発展していく過程で、地球環境の悪化ということを無視した、様々な開発がされてきました。

そして、人間が便利な生活をしていくための発展の裏に、環境へのダメージや差別、格差が生まれ、それを見て見ぬ振りをしてきたのです。

いよいよそのダメージが跳ね返ってき、このままの状況では、数十年先のすぐそこの未来では、生物が生きて生けなくなるともいわれています。

SDGsの「持続可能な開発目標」とは、このような地球へのダメージをなくし、「人々が持続的に、平和に豊かに安心して暮らしていくための、開発・発展をしていこう」という目標なのです。

(SDGsを取り入れた経営戦略であなたの会社を大きく成長させるには)

大手企業の理念から経営の参考に

さて、このSDGsを、あなたが経営している会社の、企業理念や経営理念に絡めていくことで、一層に大きな会社の核にして成長・発展させていこう、というのが今回のテーマでしたね。

理念とは、あなたが経営している会社の存在理由や、なぜその行動をするのかという指針とお話ししました。

ここで分かりやすく、大手企業の理念とSDGsの例を参考に見てみましょう。

株式会社セブン-イレブン・ジャパンさんの企業理念は以下の通りです

私たちは
いかなる時代にもお店と共に
あまねく地域社会の利便性を追求し続け
毎日の豊かな暮らしを実現する

「近くて便利」というキーワードを発信しているだけあって、地域の人たちが暮らしやすい生活を送っていけるために、セブンイレブンが存在しているということが分かりますね。

そしてそんなセブンイレブンは、SDGsの達成貢献に向けて、自社がやるべきこととして、以下の5つを掲げています。

1.高齢化、人口減少時代の社会インフラの提供
2.商品や店舗を通じた安全・安心の提供
3.商品、原材料、エネルギーのムダのない利用
4.社内外の女性、若者、高齢者の活躍支援
5.お客様、お取引先を巻き込んだエシカルな社会づくりと資源の持続可能性向

貢献しているSDGs目標は幅広く、2,3,4,5,7,8,9,10,11,12,13,14,15,16と、ほとんどの目標達成に寄与しています。
(https://www.sej.co.jp/csr/sdgs/ )

「地域の人たちに豊かな暮らしを提供するために、私たち(セブンイレブン)は存在する。豊かな暮らしを持続的に提供していくためには、自社が取り組むべき世の中の問題点の解決に向けて、上記の1~5を重点的に行っていこう。」

ということを明確に打ち出しているからこそ、経営陣をはじめ、従業員たちも迷わずに行動していくことができるのです。

それは、より良い社会のために、セブンイレブンが存在していることと認識されれば、”消費者から選ばれる企業”になるというわけです。

「ただ家の近くにあるコンビニだから」というだけではないのです。

小規模経営の会社がSDGsを理念に絡めるための2つのポイント

今回は大企業の例を参考にしましたが、理念とSDGsを絡めた経営は、あなたが経営している小規模の会社でも、今から十分に始められます。

むしろ、意思決定や物事の伝達スピードの速い、小規模経営の会社の方が有利だとすら思います。

会社の規模が小さいからといって、貢献する SDGs目標の数などを気にする必要はありません。

ポイントは大きくわけて2つあります。

1.あなたが経営している会社の企業理念・経営理念はどのようなものか?

あなたが経営している会社の企業理念・経営理念はどのようなものかを明確に文章化してみましょう。

ある統計では、「日本の中小企業のおよそ50%が企業理念を設定していない」との発表があります。

あなたが経営している会社に、もし理念がなかったとしても、これを機に今から理念を策定する良い機会です。

すでに、理念が明確になっていれば、次の2に進みます。

2.会社の技術やサービス、または商品で、世の中のどんな問題解決に貢献できるか?

冒頭お伝えした通り、世の中には数え切れないほどたくさんの問題があります。

もし「どんな問題に取り組めばいいのか?」、「うちの技術やサービスがどんな問題解決に貢献できるのか分からない」ということであれば、そんな時こそSDGsの目標を見てください。

SDGsは世の中の数ある問題点の中から、「これだけは必ず解決しなければいけない」という最優先の問題点をかき集めたものです。

大きく17種類、さらに細かく169個に細分化されています。

あなたが経営している会社のリソースで、必ず貢献できることがあるはずです。

17の分類よりも、169個のターゲット目標まで、しっかり目を通すことを推奨します。

[環境省:SDGグローバル指標(SDG Indicators)]

もし1.で、理念が定まっていない場合は、「SDGsの目標自体を理念にする」という考え方もあります。

実際に「それほどSDGsの目標は重要」だと話す経営者もいるくらいです。

こちらも、すでに「どんな問題に取り組めばいいのか?」が決まっているようであれば、SDGsの目標と紐付けさせることで、より分かりやすく発信できるようになるので、ぜひ紐付けをしてください。

この2つのポイントを押さえることで、おなたが経営している会社の方向性は、一層に明確なものとなり、きちんと浸透させていけば、従業員たちも目標に向かってブレずに働いてくれるようになるのです。

理念とSDGsの組み合わせこそが新時代の経営には必要

理念×SDGsが浸透していけば、先にあげたメリットのように

・従業員たちは、日々のやりがいを感じながら主体的に仕事をしてくれるようになる
・自社の事業を絡めた事業のアイデアが生まれてくる
・社会貢献性の高い企業として認知される
・選ばれるサービスや会社になる
・離職防止もつながる
・優良な人材の採用につながる

ということに繋がっていくわけです。

今後、SDGsは日本の、そして世界の共通言語として認識されていきます。

そうなれば、さらに従業員たちは「世界の目標に貢献している」という意識を持って、仕事での成果をあげてくれることでしょう。

理念×SDGsを会社の核とすることが、変化の激しい新時代の経営には必要なのです。

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