エシカルを意識した経営方針で未来を生き抜く企業に!

経営方針

これからの企業はエシカルを意識していない経営方針だと続いていきません。

今の世の中は、「社会的に良いことをしているか?」という判断の目がとても厳しくなってきています。

そんな目であなたが経営している会社の方針も見られ、判断されていきます。

社会に良いことをしているか目線で判断される“ESG投資”なんていう投資スタイルもどんどん広がってきています

(ESG投資は信頼の証!SDGs経営があなたの会社を成長させられる理由とは?)

「ある一定の業界だけ」に限らず、行政からも、投資家からも、そして一般消費者からも。

「社会的に良いことをしているか?」を判断すること、パッと考えれば「当たり前だろ」と思うかもしれませんが、実は気づかぬうちに、社会に悪影響を及ぼしてしまっていることがあったとしたらどうでしょう?

あなたが経営している会社の方針で、気づかぬうちに環境破壊に関与する製品を作ってしまっていたら、環境に良くない素材で作られた製品を販売してしまっていたら、人の命や健康に関わる作られ方をしていたら、そんな製品を、あなたの会社内で取扱っていたとしたら、社内で使用していたとしたら・・

これからは経営者や従業員としてではなく、一人の人としての判断力も求められてきます。

従業員たちやあなたの家族の生活、そして経営している会社を守り、成長させて行くために、日々まじめに一生懸命働いているのに、思わぬ見落としで、会社の業績を落とし、続いていかなくなる・・

そんな最悪の事態を避けるためにも、むしろあなたが経営している会社を一層に成長・発展させていくために、経営方針をシフトチェンジしていく必要があります。

それは”エシカル”という考え方。

エシカルとは「倫理的な」という意味です。

倫理的な経営方針とは何なのか?

一緒に考えていきましょう。

経営方針に取り入れるべき”エシカル”とは?

エシカル(ethical)とは、「倫理的」「道徳上」という意味の形容詞である。つまり、「法律などの縛りがなくても、みんなが正しい、公平だ、と思っていること」を示す。

Wikipediaにはこう書かれています。

冒頭、「社会的に良いことをしているか?」とお伝えした通り、それは正しいこと、公平など、世の中の原則といえる当然のことなのです。

いじめや仲間外れをしてはいけない、人の物を取ってはいけない、残さず食べましょう、ゴミのポイ捨てはダメ・・

倫理や道徳の教えは、日本ではすでに保育園や幼稚園で、家庭内で習っていること。

あなたもお子さんにそう言い聞かせ倫理や道徳(エシカル)を説き、またそう言われて育ったのではないでしょうか?

子どもには言えるのに、大人はやらない、これを「大人の事情」という言葉では決してくくることがあってはいけないし、それこそエシカルではありません。

例えばあなたが着ているそのシャツは、安くて品質が良く、人気のファストファッションブランドの製品かもしれません。

”高品質低価格”は、一般消費者も喜ぶので大量に作り大量に売れば利益になります。

可能な限りコストを減らし、低価格で高品質を実現させ、利益をあげる。

今までのビジネスとしては当然の考え方だったのかもしれません。

しかし、コストを下げることで、製造の過程でしわ寄せを受ける工程が出てくることを見落としがちです。

原材料であるコットンの90%近くがインドで作られています。

貧富の差が激しいインドでは、コットンの生産の背景に、高い割合で多くの児童労働の手で作られていることがあります。

素手素足での長時間の過酷な労働は、農薬の影響をダイレクトに受け、健康面の悪影響を受けます。

そして農薬は人体だけでなく、土に沁み、川に流れ、環境にも悪影響を及ぼします。

しかしながら生活のために働くしかないという悪循環。

また、製品としての製造工程で、バングラデシュでは満員電車のようにぎゅうぎゅう詰めの縫製工場で、女性たちが、”超”低賃金で長時間ひたすらに製品の製造を強いられていました。

そんな縫製工場のあったビルでは、避難や安全の管理は全くなされていない、ずさん過ぎる管理体制で、奴隷のような過酷な労働だけがひたすら続いていたのです。

その結果、老朽化したビルは崩れ落ち、4000名に及ぶ死者や行方不明者を出すという、前代未聞の大事故が起こりました。

働かなければ食べていけない、しかしどれだけ働いても、食べていくのに十分な賃金を与えられず、労働搾取の環境から抜け出せない貧困国の労働者たちはとても苦しい生活が続いています。

エシカルに、倫理的に考えてこんな状況はどう感じますか?

その他にもスナック菓子やカップラーメンなどの多くの加工食品、または洗剤などにも使用されている植物油脂(パーム油)や、チョコレートの原材料であるカカオなど、普段から僕たちの日常にある製品の元をたどると、そこには貧困国の過酷な労働搾取、児童労働から生まれていると思われる物にあふれているのです。

恐ろしいことに、パーム油が採れるパームヤシの農園が爆発的に増えたことで、温暖化を急速に進めてしまうほど多くの森林が伐採され、住みかを失った森林の動物の生命の危機や生態系を破壊してしまっています。

このように、一部の人間が高品質低価格を追求したことにより、そのしわ寄せが人権や地球環境、生態系を著しく破壊してしまっていることに僕らは気づき、手を打っていかなければなりません。

エシカル、つまり倫理にそぐわない生産や消費は、その過程で誰かが、人や動物や環境が犠牲になってしまうということなのです。

誰かの不幸や命の上に、自分たちの幸せや成功はありえない、それはエシカルではないですよね。

エシカルは経営のすべてに当てはまる!?

あなたが経営している会社、僕たちが生きている目の前の社会でも、エシカルを意識すると、差別や格差も、環境にダメージを与えるプラスチック製品の使用も、大量の食品ロスも、倫理や道徳という言葉を前にすると大抵のことが当てはまります。

意識をしていない人にとってみれば「きれいごと」と聞こえるかもしれません。

しかし、その「きれいごと」を経営方針のど真ん中に置き、「本当にきれいな会社」にしていくことが求められています。

国連で採択されたSDGs(エスディージーズ)という世界目標からも見て取れる通り、現在、日本だけでなく世界中で深刻な環境、社会、人権、経済などの問題が巻き起こっています。

それほどまでに、今 、この地球に住み暮らすわれわれ人間のすぐそこの未来が危険な状態ということです。

そのことに気づきはじめた人の割合もどんどん増えてきています。

エシカルやSDGsの動きはますます増えていくでしょう。

そんな時に、あなたが経営している会社が、そこで働く従業員たちが、もし人権や環境を無視した、気づいていなかった、エシカルに無頓着な行動をとっていたとしたら、そのような会社の方針の製品やサービスは世の中からはじき出され選ばれなくなってしまいます。

だからこそ、経営方針にエシカルを取り入れ、日々の意識と行動で定着させていくのです。

むしろエシカルの経営方針を武器にし、”クリーンな会社”というブランド効果を高めることだってできるはず。

経営方針にエシカル取り入れる時のポイントは、「自社(自分たち)さえ良ければいい」という思考からの脱却です。

あなたの会社が製品の製造会社であれば、元をたどった素材の製造も追求した方針で仕事を進めていきましょう。

エンドユーザーの笑顔まで追求した意識、トレーサビリティということも考えていくのです。

経営におけるエシカルの打ち出し方

エシカルを意識した動きに”エシカル消費”という言葉があります。

読んで字のごとく、エシカル消費は「倫理的な消費」という意思ですが。

安くて質が良い商品は、当然誰もが欲しくなり買い手がたくさん出てきます。

販売企業は製造元にどんどん発注して、競合他社も似たものをもっと低価格で販売できるよう、さらに製造コストを抑えて大量に作り販売しようとしてくるかもしれません。

そんなことをすれば、またどこかでしわ寄せを受ける工程が出てきます。

売るから買うのか、求められるから作るのか、だからこそ企業はエシカルを経営に取り入れ、「売り手よし、買い手よし、世間よし」という「三法よし」の精神とともにエシカルな経営方針を固めていくべきです。

(売り上げを伸ばすだけで本当に良いの?経営方針に必ず入れるべき”三方良し”の考え方)

生きていくのも必死なほど追い詰めた賃金で働かせることは、考える間も無くエシカルに背く、というのはすぐに分かること、目を背けてはいけません。

であれば、労働や生産性に合わせた適正な価格で取引することが(フェアトレード)、本来のエシカルな消費に繋がりますよね。

そのためには、エンドユーザーの購入価格も上がることになります。

エシカル消費を考えると値段勝負の商売は成立しません。

だからこそ、価格以外の価値を生み出し、価値をデザインしていくこともこれからの経営には必要になっていきます。

僕は”エシカル”そのものが一つの価値であると思っています。

誰かの不幸や命の上に、自分たちの幸せや成功はありえない、ということは考える間も無く当然のこと。

であれば、「弊社はエシカルを取り入れた経営方針で、うちの製品は適正価格のフェアトレードで取引された原材料を取り扱っています。なので品質が良いのはもちろんのこと、人権にも地球環境にも優しい製品であり、原価を安く叩き上げているわけではないので、取引上正規のお値段としてこちらの料金になります」

というように打ち出していくことはできるし、世の中の目も「社会的に良いことをしている方針の会社か?」という判断で見てくる傾向が高まってきているので、相性も良いはずです。

例えば無印良品は、まさに取り扱う商品にエシカルを求め、従業員たちにもエシカルな意識や働く方針が根付いています。

僕自身も衣類や小物を買うときには、「まずは無印良品で」と頭に浮かびます。

しっかりとブランド名もその名の通り、しっかりとコンセプトが定着、ブランディングがなされていますよね。

「当たり前」を当たり前にやることがエシカル経営方針

エシカルの経営方針は「当たり前のこと」、ではあるものの、いざ目の前の経営に置き換えると、今までの意識ややり方と大きく変わった行動を取らなければいけないという錯覚に陥るかもしれません。

あなたが経営している会社では、一日におにぎり一つ買えるかか買えないかという賃金で、大切な従業員たちを奴隷のように何時間も休憩なく働かせたりはしないはず。

不要なコストは抑えるべきですが、適正な価格と判断されることや、社会や環境に良いと思われることは自信を持って出していくべきです。

エシカルを取り入れた経営方針が進んでいけば、従業員たちにもエシカルの意識が高まり、新たなアイデアが生まれてくることでしょう。

きれいごとではなく、本当にきれいなことをしている方針の会社がこれからの未来を生き残っていくのです。

今からでも始められます。

今できることからで構わないのです。

エシカルは意識改革、経営改革の第一歩、未来を生き抜く企業に成長していくために、エシカルという経営方針に踏み出していきましょう。

(SDGsの必要性を知ることがこれからの経営に重要なわけとは)

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